No.271 「九州・「九州・山口ベンチャーマーケット(KVM)」の出店テーマ報告…

ITコラム
2018年10月31日

ISO 飛鳥 石橋一史によるITコラム
~帝国ニュースに掲載されたものを紹介していきます~

毎年秋に開催される「九州・山口ベンチャーマーケット」、今年は10月19日に福岡市国際会議場で開催され、興味深いテーマがありました。それは重量100kg以下の世界最小人工衛星で、地表の映像を配信するというもの。

この企画は23年前の1995年から九州大学の教授を中心に開発が始まり、2005年にQPS(Q-shu Pioneers of Space)研究所として組織的な活動を開始、2019年にはロケット搭載の予約もとれている。この1基で12時間ごとの地表映像の配信が可能、2020年には2基の打上げを計画、将来は36基の衛星で10分ごとに世界中の地表観測体制の確立を目標にしている。

アンテナの直径は3.8m、カタチは肢のない大きめのこうもり傘、これが宇宙軌道を漂い、天候に左右されることなく、渋滞情報、豪雨・地震などによる地表状況を観測してくれる。1基2億円という超低価格衛星には、展開型アンテナ、世界で評価されている宇宙デブリ(ゴミ)を察知するセンサー、誘導電力を利用した高度制御装置など、独自のすごい技術が凝縮されている。

こうもり傘のような衛星模型を置いた味気ないブースには、32歳の大西俊輔氏(QPS現代表)が一人でポツンと座っており、話を聞くと夢が伝わってきた。マーケット終了後の表彰式で彼は【ベンチャー部門 大賞】を受賞、2019年、下町ロケット(?)での成功をみたい。