No.315 スーパーコンピューター、[京]から[富岳]へ

ITコラム
2019年9月18日

ISO 飛鳥 石橋一史によるITコラム
~帝国ニュースに掲載されたものを紹介していきます~

神戸ポートアイランドのモノレールの駅名にもなり、民主党(当時)政権時の事業仕分けの発言、「2番ではダメなんですか…」で有名になったスーパーコンピューター[京]。これは8万8千個もの演算チップ(CPU:中央処理装置)を(超)並列に配置した構造で、1秒間に1京回(1兆の1万倍)という猛烈な演算速度で世界一の水準を確保した。

今まで頑張ってくれた[京]は、この9月で役目を終えることになっているが、次に物凄い後継機が登場する。そのマシンは日本の象徴である富士の別名をとって、[富岳:フガク]と命名されている。[富岳]は[京]のなんと100倍の演算速度で、世界最高速の水準となるだけでなく、CPU配列回路を工夫するなどして、消費電力を[京]の3倍程度に抑え、「消費電力当たりの性能」では圧倒的な世界一を目指している。

これらのスーパーコンピューターでは、AIに必要な膨大なデータの処理、人工衛星からの情報をもとにした緻密な気象予報、GPSを活用した自動運転技術、遠隔医療など、医科学技術分野など、日本のあらゆる産業・医療技術に大きく貢献するために、2022年の稼働を目指し、組み立てが始まっている。今まで頑張ってくれた[京]も、ご苦労様でした。