No.293 [令和]、中国での商標登録から…

ITコラム
2019年4月10日

ISO 飛鳥 石橋一史によるITコラム
~帝国ニュースに掲載されたものを紹介していきます~

 先の大戦で国民を惑わせた『大本営発表』の前奏曲、「海ゆかば…」は、歌人[大伴家持:おおとものやかもち]の詞といわれている。彼らがまとめたとされる『万葉集』の一節、「私は酒壺になりたい」と豪語するほど酒好きだった[大伴旅人:たびと]らが詠んだ、梅の花をめでる宴の詩から新元号『令和』が誕生した。しかしこれが昨年10月、中国で[商標登録]済みであったことが報道され、中国人の利権パワーには驚かされた御仁も多いことだろう。[商標登録]は早いもの勝ちの世界、今回は偶然だが、権利の種類が大伴旅人の大好きだった、酒類の販売に関わるものという偶然もおもしろい。

この[商標登録]、権利存続期間は登録の日から10年間だが、特許庁に更新登録料を支払えば、さらに10年間延長し、権利は永遠に維持することができる。一方、発明などの[特許の有効期間]は、出願の日から20年とされている。

先日トヨタがハイブリッド車(HV)などに関する特許の権利、約2万3千件を無償開放すると発表した。期限のある特許の権利を公開することで、HV車の世界的な市場の拡大を促し、製造技術と販売力でシェアを確保しようという、大きな戦略なのだろう…